女嫌いな年下のおとこのこ
聖は余程嬉しいのか帰宅途中ずっと話し通しで、瑞希はほぼ相打ちしかしないまま1時間弱の道のりを帰宅した。
「ただいまー。といっても、入るのは初めてなんだけど」
「聞いてた希望は一応全部揃ったの選んどいたぞ」
「ありがとう。全部任せちゃってごめんね?」
「こっちに居るんだから俺がやるのが当然だろ。それに俺のが条件多かったしな」
聖は瑞希の教育の賜物によりきちんとキャリーケースを脚まで拭きあげ、しっかりとカバーまでつけて家の中に持って入った。
「洗うもんは早めに出しとけよ」
「うん。ついでにお風呂入ってきていい?飛行機長かったからさっぱりしたい」
「いってら」
洗面所に消えていった聖を見送り、瑞希は一度自室に入り目的のものを取り出した。
それを懐に仕舞い込んでキッチンへ向かい、自分の手製の料理を楽しみにしているであろう彼女の為に下準備をしていたものを冷蔵庫から取り出す。
火を通すものだけフライパンに乗せて油の弾ける音を響かせていると、風呂上がりの聖が「良い匂いがする!」と言って髪を濡らしたままリビングに入ってきた。