女嫌いな年下のおとこのこ
「俺は3年待った」
「うん。本当にありがとう」
「これ以上は我慢するつもりは無い」
「?何を…」
首を傾げる聖を前に、瑞希は懐に持っていた物を取り出してテーブルの上に置いた。
そしてその藍色のスウェード素材の小さな箱を、スッと手を伸ばして彼女の前に差し出す。
「結婚するぞ、聖」
耳に熱を感じながらも強く見据えて言えば、茶碗を持ったまま聖は間抜けな顔でぽかんとしていた。
「瑞希くん…いいの?」
「何が」
「私、すっごくだらしないし、料理できないし…」
「んなの最初から分かっとる」
「…またワーカーホリックに戻るかもだし…」
「だから俺が監視するって言ってんだろ」
「……私、嫉妬深いよ?」
「は?」
脈絡もなく唐突に言われ、眉を寄せた。