女嫌いな年下のおとこのこ
今度はこちらが惚ける番だった。
この上自分に王子様よろしくうやうやしく膝をついて指にはめろというのかこの女は。
そんな恥ずかしい真似できるかと言ってやりたくなったが、もうこうなったらヤケだ。
瑞希は静かに立ち上がり、小箱から指輪を抜いてそっと聖の左手を取った。
「…これきりだからな」
ムードもへったくれもない言葉を吐き、薬指にはめた。
思った通り白い肌に映えるダイヤは聖に良く似合っていた。
そんな事を考えていると聖が突然立ち上がり、背伸びをして首元に腕を絡ませ勢いよく唇を重ねてきた。
重ねるだけのそれは直ぐに離れ、聖は輝かんばかりの笑顔で言った。
「瑞希くん、大好き!」