女嫌いな年下のおとこのこ
終章
少し前までは、結婚をして愛しい人の隣で笑う自分の姿なんて想像がつかなかった。
恋なんて二の次で、それほど興味も無かった。
けれどこの年下の幼馴染に、何もかもを変えられてしまった。
誰かと一緒に過ごす楽しさも、叶わぬ恋の辛さも、想い合う喜びも、今この幸せも…全て与えてくれたのは瑞希だった。
だから彼が死ぬほど嫌がるだろうと分かっていながら、指輪をはめてくれなんて我儘なお願いをしてしまった。
ムスッとしながらもそれを叶えてくれるその姿があまりに可愛くて、堪らず自分からキスをした。
きっとこれからも自分は変わり、振り回されていくんだろう。
今も昔もずっと大切な、美人で口が悪くて少し面倒くさくて、何より自分のことが大好きなーー女嫌いな年下のおとこのこに。