女嫌いな年下のおとこのこ
瑞希
side 瑞希
「瑞希くんだよ、ねえ…」
聖は気付いていないが、瑞希は少しではあるが自分の体質を克服していた。
以前は近付くだけでも発作が起きて罵声を浴びせていたが、さすがに社会人になってまでそのままで居られるわけがないと精神科へ通う事に踏み切り、今やある程度の距離を保っていれば普通に会話できるまでには落ち着いている。
だが、それ以上は受け入れられない。
異性として好意を向けられたり、触れられるなんて以ての外だ。
ただ一人、聖を除いては。
ベンチで自分が聖に抱きついた時にどういう思考に至ったかは謎だが、彼女は何事もなく受け入れていた。
だからといって過剰に距離を縮めてくることもなく、あくまで瑞希の事を全て受け入れた上で接してくる。
聖にとって、瑞希は自分に懐いている弟にしか見えていないのだ。
幼い頃からそれが嫌だった。
いつも瑞希は聖と対等でいたいのに彼女はいつも上にいて、どんなに我儘を言っても暴言を吐いても張り合う事なく笑顔で許してくる。
それがムカついて仕方なくて、追いつきたくて、背伸びをした。
結果、あんな事が起きて性的趣向はブッ壊れた。
だがそれ以降も恋人を作りそれなりに愛情表現をしてきたつもりだが、毎回フラれる理由はいつも同じ。
いい加減嫌気がさしていた。
「瑞希くんだよ、ねえ…」
聖は気付いていないが、瑞希は少しではあるが自分の体質を克服していた。
以前は近付くだけでも発作が起きて罵声を浴びせていたが、さすがに社会人になってまでそのままで居られるわけがないと精神科へ通う事に踏み切り、今やある程度の距離を保っていれば普通に会話できるまでには落ち着いている。
だが、それ以上は受け入れられない。
異性として好意を向けられたり、触れられるなんて以ての外だ。
ただ一人、聖を除いては。
ベンチで自分が聖に抱きついた時にどういう思考に至ったかは謎だが、彼女は何事もなく受け入れていた。
だからといって過剰に距離を縮めてくることもなく、あくまで瑞希の事を全て受け入れた上で接してくる。
聖にとって、瑞希は自分に懐いている弟にしか見えていないのだ。
幼い頃からそれが嫌だった。
いつも瑞希は聖と対等でいたいのに彼女はいつも上にいて、どんなに我儘を言っても暴言を吐いても張り合う事なく笑顔で許してくる。
それがムカついて仕方なくて、追いつきたくて、背伸びをした。
結果、あんな事が起きて性的趣向はブッ壊れた。
だがそれ以降も恋人を作りそれなりに愛情表現をしてきたつもりだが、毎回フラれる理由はいつも同じ。
いい加減嫌気がさしていた。