女嫌いな年下のおとこのこ
朝食後に出かける瑞希を見送り、聖は部屋の掃除を終わらせて乾燥が完了した洗濯物を畳んでいた。
自分のためだと億劫だった作業も人の為だと思えばやる気が出るもので、以前のように山盛りのまま放置する事は無くなった。
「…あ、これ瑞希くんのだ」
同居はしているが恋人ではないので、各々の洗濯物は分けていた。
けれど何かの拍子に瑞希のシャツが紛れ込んでしまっていたらしい。
瑞希は嫌がるだろうなと思いつつも、せっかくだから畳んでおこうと広げると自分のものより一回りも大きなサイズに不思議な感覚が込み上げてくる。
自分より小さかった男の子がいつのまにか自分より大きくなっていて、一人でなんでも出来るようになったのにまたこうして一緒に居る。
「瑞希くん…君は一体何を考えているのかな」
人の世話をするなんて君らしくない事までしてこの家に居座る理由はなに?
君を救えなかった私を、一体どう思っているの?
そんな疑問が、ずっと聖の中で燻っている。