女嫌いな年下のおとこのこ
「飛鳥航輝です。よろしくお願いします」
落ち着いた雰囲気の背が高い子というのが第一印象だった。
飛鳥に続き聖も自己紹介をする。
基本的な仕事を教える作業は後輩が担当し、聖は自身の仕事の引き継ぎの際にのみ業務について説明するという事だったので、その時は顔合わせだけ終えて早々にデスクに戻った。
一応仕事の合間に気にしながら時々様子を見ていたけれど、要領がいいようで教えられた事は卒なくこなしていて少し安心した。
その後も例の如く仕事に追われて気付けばあっという間にお昼休みに入り、軽くデスクの上を片付けて給湯室へお茶を貰いに向かった。
そしてそこには先客が居た。
「飛鳥くん、お疲れ様」
「あ…白河さん。お疲れ様です」
「外に行かなかったんだ。誘われたでしょ?」
「はい。でも今日は昼持ってきてたんで」
「ああ、お弁当?」
「コンビニのですけど」
見れば電子レンジが動いていて、コンビニ弁当を温めていたらしい。
私も同じ、と聖も自分の弁当袋を見せて笑顔を見せる。
「次使うね」
「あ、はい」
レンジの残り時間も残り少しのようなので、準備の為に中身を取り出して蓋を開けた。
そして、固まった。