女嫌いない年下のおとこのこ
週明けの月曜日。
大量の仕事に追われていた聖は昼休みにも関わらず昼食を摂る時間すら惜しく、栄養補給ゼリーを片手にパソコンをひっきりなしにタイピングしていた。
そんな聖の背中を軽く叩き声をかけてきたのは、先日酔って醜態を晒した一ノ瀬だった。
「よっ、白河。またそんなもんで済まそうとしてんのか?身体壊すぞ」
「そういう一ノ瀬くんこそ、お昼行かないの?」
すると一ノ瀬は待ってましたと言わんばかりに手提げ袋を見せつけてくる。
「俺は弁当。恋人のお手製のな」
「さいですか…」
自慢したかっただけかと呆れる聖の隣のデスクの椅子を引き、一ノ瀬は誰に許可を得るでもなく勝手に腰掛けそのまま弁当を開いた。
「聞いたよ、白河って瑞希の幼馴染なんだってな」
「そうだね。一応そうなるのかな。瑞希くんから聞いたの?」
「そー。あいつから女の話するなんてすげえビックリした」
その言葉だけで色々と察した。瑞希は文字通り、本当に変わっていないんだなと。