女嫌いな年下のおとこのこ



そして日はあっという間に流れて木曜日、本日は定時で作業を終えて夕食作りに取り掛かっていた。

火曜日、水曜日と連続で会議が長引き仕方なく夜はデリバリーを利用して別々に済ませたので、今日こそはと内心燃えていた。


忙しいなら無理はするなと瑞希は言ってくれるが、こうして一緒に食事ができる日も今日を含めてあと2日しかないのだ。

瑞希にとっては大した事ない話かもしれないが、聖は残り少ないこの時間を大事にしたかった。

そうして張り切って夕飯を準備していた聖だったが、そんなささやかな願いも早々に打ち砕かれる事となる。


「聖、鳴ってる」


そう言ってキッチンに入ってきた瑞希の手には聖のスマホが握られており、画面には「飛鳥航輝」の名前が表示されていた。

テーブルの端に無造作に置いていた為スマホのバイブレーションに気付かず、瑞希が持ってきてくれたようだ。


同僚との連絡はメールやチャットでこれまでは事足りていた。

故に電話が鳴るという時点で嫌な予感がした。



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