女嫌いな年下のおとこのこ
あの馬鹿女は加減を知らないから、誰かが無理矢理にでもこちら側に引きずって、ストッパーになってやらねばならないのだ。
リビングに戻るや否や、聖の一番嫌がるであろう脅しを引っ付けて死に物狂いで土曜に休みをもぎ取るよう告げた。
どれほどのトラブルかは知らないが、自分の管理下にいる以上無理はさせない。
聖が自身の事を無下に扱うなら、瑞希が大事にしてやればいいのだ。
青い顔でからくり人形のように頷く聖を確認し、ソファーまで歩いて腰を下ろした。
スマホの振動を感じて取り出して見れば先ほど送ったメッセージの返事が届いていたので早速トーク画面を開く。
[まさか連絡来るとは思ってなかったよ。てか怖いんだけど、何?]
文面の後には気の抜けたスタンプも付いてきている。
[明日20時、その時に飛鳥航輝の情報持って此処に来い]
次いで店の情報を添付し、瑞希は静かに画面を閉じた。