女嫌いな年下のおとこのこ
結局それほど悩む事なくジムに行くことを閃き、そういえばここも瑞希の紹介なのだから偶然会うこともできるのではと思うと心が弾んだ。
2時間ほど体を動かして備え付けのシャワーで汗を流し、帰宅してメイクを施し綺麗めの服に着替えた。
あからさま過ぎるのもいかがなものかと思ったので万人受けするベージュのブラウスと細身のスカートをチョイスし、時間が迫ったところでパンプスを履いて家を後にして最寄駅まで足を進めた。
改札口付近でいいのかなとぼんやり考えていると、駅の入り口に既に瑞希が到着していた。
「瑞希くん!」
おーいとばかりに手を振ると、瑞希はポケットに手を入れたまま体ごとこちらに向く。
「待たせちゃった?」
「時間通りだろ、気にせんでいい」
瑞希は被っていたキャップを直し、踵を返して改札口の方へ向かう。
それを追いかけ瑞希の後に続けば、そのまま電車のホームへ向かうので隣に立って声をかけた。
「秘密って言ってたけど、そろそろ何処に行くか聞いてもいい?」
「俺ん家」
「へ?」