にゃらぶぅ♪
「…遠くに、行くんだ。」

それは自分に言い聞かせるようにも聞こえた。

「え。」

「遠くに行くんだ。明日。」

「あ、した…嘘?」

それはあまりにも急な話だった。

「……。」

「ねぇ、嘘でしょ?」

すがるように見つめるリリィに対し、アイルは気まずそうに目線をそらしている。

「いつ、帰れるか分からないけど…元気でな。」

「嫌だよ…。」

アイルは立ち上がり背を向けた。窓を開けると、心地よい風が吹き込んできた。
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