関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている
「い、いや、体調不良は、その、収まった」
彼が慌てて顔を背ける。
(そうは思えないけど……?)
カディオは、目の下がうっすらと赤い。口調も先程からぎこちないし、汗もかいているみたいだ。
ひとまず彼の向かいのソファに座ってみた。
さすがに十八際になって二人きりにはしないようで、どこから見ていたのかメイドがシェスティの分の紅茶を運んでくる。
帰宅後で喉も乾いていた。有り難く飲む。
そうすると、カディオが顔をこちらへと戻してきたが――何も言わない。
(やっぱり彼、おかしかったりする?)
ティーカップを降ろしたところで、シェスティは彼と目を合わせてみた。
徐々に彼の眉が寄っていく。
それを見て、シェスティは密かに落ち込んでしまった。
(ああ、やっぱり私のことが嫌いなのね)
留学は確かに楽しんでいたが、隣国に行ってあとで彼のことが気になった。
『嫌なら、私の顔を見なければいいでしょ』
最後の言葉が、アレになってしまった。
彼が慌てて顔を背ける。
(そうは思えないけど……?)
カディオは、目の下がうっすらと赤い。口調も先程からぎこちないし、汗もかいているみたいだ。
ひとまず彼の向かいのソファに座ってみた。
さすがに十八際になって二人きりにはしないようで、どこから見ていたのかメイドがシェスティの分の紅茶を運んでくる。
帰宅後で喉も乾いていた。有り難く飲む。
そうすると、カディオが顔をこちらへと戻してきたが――何も言わない。
(やっぱり彼、おかしかったりする?)
ティーカップを降ろしたところで、シェスティは彼と目を合わせてみた。
徐々に彼の眉が寄っていく。
それを見て、シェスティは密かに落ち込んでしまった。
(ああ、やっぱり私のことが嫌いなのね)
留学は確かに楽しんでいたが、隣国に行ってあとで彼のことが気になった。
『嫌なら、私の顔を見なければいいでしょ』
最後の言葉が、アレになってしまった。