関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている
「え? 誰?」
まるで『嫉妬されて大変だった』という口調だが、覚えがない。
「……いえ、なんでもありません」
メイドがそそくさと出ていく。
(帰ってきてから、ずっとこうだわ)
なぜだか話し相手もしてもらえないので、かなり暇だ。
なのでシェスティは、それを父に伝えることした。
執事に尋ねると正午過ぎに父は一度戻るとのことだ。
シェスティは、時間になるまで一階の蔵書室で待つことにした。その際、父が隠している本がないか、好奇心のまま探すことも忘れない。
「可愛いシェスティ何をしているのかなあああああ!?」
「あ、父様」
シェスティは『しまった』という口調で、そう言った。
「お、お前が蔵書室にいるというから、来てみればっ」
「わざわざ来てくださったんですか? ありがとうございます」
「令嬢ぶった口調でも説得力はないからね!? わ、私は、今や恋愛小説は妻公認! 妻と読んでるの!」
父が半泣きだった。とにかく降りろと、頼むから、危ないしお前に何かあったら泣く、と言いながら脚立の下で騒ぐ。
まるで『嫉妬されて大変だった』という口調だが、覚えがない。
「……いえ、なんでもありません」
メイドがそそくさと出ていく。
(帰ってきてから、ずっとこうだわ)
なぜだか話し相手もしてもらえないので、かなり暇だ。
なのでシェスティは、それを父に伝えることした。
執事に尋ねると正午過ぎに父は一度戻るとのことだ。
シェスティは、時間になるまで一階の蔵書室で待つことにした。その際、父が隠している本がないか、好奇心のまま探すことも忘れない。
「可愛いシェスティ何をしているのかなあああああ!?」
「あ、父様」
シェスティは『しまった』という口調で、そう言った。
「お、お前が蔵書室にいるというから、来てみればっ」
「わざわざ来てくださったんですか? ありがとうございます」
「令嬢ぶった口調でも説得力はないからね!? わ、私は、今や恋愛小説は妻公認! 妻と読んでるの!」
父が半泣きだった。とにかく降りろと、頼むから、危ないしお前に何かあったら泣く、と言いながら脚立の下で騒ぐ。