関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている
ディオラ家は、人族貴族の中でもっとも大きな影響力を持っている。
外交、そして国内の物流を発展させた技術といった貢献などは国内外に及び、ディオラ公爵は国王の右腕としても頼りにされていた。
そうして優秀な十三歳の王子と、すでに才女だと言われていた七歳の公爵令嬢が引き合わされたのだ。
――今後の国の未来のためも先に、良き友に。
狼の耳と尻尾を持った黒髪の王子と、波打つ金髪にブルーの目をした公爵令嬢。二人を会わせた際、大人たちにはそんな考えがあったのだが、出会い頭に王子様が暴走した。
「え」
それは、大人たちには想定外の反応だった。
二人は顔を合わせると、周囲がはらはらする言葉を飛び交わせた。どちらが有能か競い合い、通算百回は超えるのではないかと噂されているほどだが――。
それは十五歳で公爵令嬢が隣国へ留学したことで、プツリと途絶えることになる。
◇◇◇
七歳の時、シェスティは両親から第一王子へ会いに行こうと言われた。
外交、そして国内の物流を発展させた技術といった貢献などは国内外に及び、ディオラ公爵は国王の右腕としても頼りにされていた。
そうして優秀な十三歳の王子と、すでに才女だと言われていた七歳の公爵令嬢が引き合わされたのだ。
――今後の国の未来のためも先に、良き友に。
狼の耳と尻尾を持った黒髪の王子と、波打つ金髪にブルーの目をした公爵令嬢。二人を会わせた際、大人たちにはそんな考えがあったのだが、出会い頭に王子様が暴走した。
「え」
それは、大人たちには想定外の反応だった。
二人は顔を合わせると、周囲がはらはらする言葉を飛び交わせた。どちらが有能か競い合い、通算百回は超えるのではないかと噂されているほどだが――。
それは十五歳で公爵令嬢が隣国へ留学したことで、プツリと途絶えることになる。
◇◇◇
七歳の時、シェスティは両親から第一王子へ会いに行こうと言われた。