関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている
「騎士が、返事を待っています」
手紙を渡した彼が、両手を後ろに組んで立つ。
「えぇっ。今? 今すぐ見て、返事を?」
「王宮から来た騎士は、そう求めています」
メイドたちが数人きて、シェスティの前にあるテーブルに手紙を書くのに必要な道具一式を揃えていく。
(いったい、返事を求めるほどだなんてどんな内容なのかしら? 手紙なんて送るなとか、私が社交辞令で出した時にあった『俺は暇じゃない』とかいう手紙?)
いろんなことが頭に浮かぶ中、手紙を開けてみる。
すると、そこには一文だけ書かれていた。
【訪ねていいですか】
(何、この不器用すぎる手紙は?)
シェスティは、唖然とした。
(彼、きちんとした文章で手紙を書けたわよね? 留学する前、別荘で避暑していた時にも散々手紙で応酬しあったの覚えているんですけどっ?)
固まってしまっていると、一人のメイドがおずおずと声をかけてくる。
「お嬢様、それでお返事のほうはいかがされますか……?」
シェスティはハッと我に返る。
手紙を渡した彼が、両手を後ろに組んで立つ。
「えぇっ。今? 今すぐ見て、返事を?」
「王宮から来た騎士は、そう求めています」
メイドたちが数人きて、シェスティの前にあるテーブルに手紙を書くのに必要な道具一式を揃えていく。
(いったい、返事を求めるほどだなんてどんな内容なのかしら? 手紙なんて送るなとか、私が社交辞令で出した時にあった『俺は暇じゃない』とかいう手紙?)
いろんなことが頭に浮かぶ中、手紙を開けてみる。
すると、そこには一文だけ書かれていた。
【訪ねていいですか】
(何、この不器用すぎる手紙は?)
シェスティは、唖然とした。
(彼、きちんとした文章で手紙を書けたわよね? 留学する前、別荘で避暑していた時にも散々手紙で応酬しあったの覚えているんですけどっ?)
固まってしまっていると、一人のメイドがおずおずと声をかけてくる。
「お嬢様、それでお返事のほうはいかがされますか……?」
シェスティはハッと我に返る。