初めてはマカロンより甘くして


──────ちゅっ



と、一瞬だけ落ちてきた温もり。



(え、えっと、いま、触れた.........?)



一瞬過ぎて分からないレベル。



まるで、蚊が止まったぐらいの、軽いキス。



びっくりしてまばたきをしていると。



「............い、今の、僕には、これが精一杯!」



そう言って、
いつのまにか両手で顔を隠している壮介。



「ふふっ。かわいい」



壮介にレベル高いことを求めた私が悪いから。



おわびに、チュッと、
壮介のおでこにキスをしてから私は思った。



〝キス以上の、
初めてはマカロンより甘くしてっ、〟



なんて壮介に言うのは、
きっと、まだまだ先のことになりそう.........と。





fin.
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