初めてはマカロンより甘くして
「えっ、うそ、待って、」
(やばい、傘出さなきゃっ、)
そう慌ててる間にも。
──────ザーーーーーーッ‼︎
と、降り続けるどしゃ降り。
どんどん、ベシャベシャになっていくし。
(やばい、傘どこにしまったっけ?)
そう心の中で思って、
焦れば焦るほど、傘は出てこない。
雨と共に、額から冷や汗も出てきたそのとき。
「............み、ゆ、ちゃん、こ、れ、」
そんな、壮介の声と共に、
私の、頭上の雨がピタリと止んだ。
「壮介、傘、持ってたんだ、」
準備とかそういうのも下手なのに。
用意周到な、
壮介にびっくりしていると...............
「............み、ゆ、ちゃん、...が、濡れたらこまる、から、」
そう言いながら、
私の肩から背中を抱いてきて。
──────瞬く間に走り出した。