初めてはマカロンより甘くして
【03.】試すようなこと
どしゃ降りのなか、
走ってきた私たちは、びしょ濡れで。
それぞれ、
お互いの家で、お風呂に入る、ハズだった。
だけど...........................
「............み、ゆ、ちゃん、おふろ、」
いま、目の前には、
バスタオルを持った壮介の姿。
でも、ここは壮介の家だ。
「私が鍵忘れたのが悪いし、
壮介が、先にお風呂入んなよ」
家主の息子である、
壮介が先に入るのが正しいと思って断ると。
「............み、ゆ、ちゃん、だめ、風邪引いたら、僕がのこまる、」
そう言って、
プルプルと小刻みに震えてる壮介。
必死に言ってくれてるのが、なんだか愛おしくて。
「っ、分かった、お言葉に甘えて入るね」
壮介の持っているバスタオルを受け取ると。
──────私はお風呂に入った。