浅黄色の恋物語
 その後、ぼくは視力障碍を認定されて盲学校へ入学することを勧められた。 っていうか、それしか無かった。
それでぼくは施設にも預けられることになり家を離れることになったんだ。
 母さんたちといつも一緒に居られる友達が羨ましかった。
施設に行ったまでは良かったけれどホームシックも大変だった。
 あまりにもひどいものだから仕事を休んで母さんに会いに来てもらったことが有るくらいだ。
5年生になってもホームシックは治らなかった。 悔しいけどさ。
 それも有ったからか、ぼくはひどい寝小便の常習者になっちゃった。
おかげでね、8時過ぎに寝た後、10時に先輩に起こしてもらってトイレに行くことになった。
 ところがさ、寝たら最後でなかなかに起きないんだ。
それに苛立った先輩は殴り蹴り飛ばし投げ飛ばして起こすようになった。
 それが毎晩続くものだから体は痣だらけになってしまった。
 それを見た母さんは何も言えなくなってしまった。
盲学校の先生たちも変なのには気付いていたはず。
施設の職員だってね。 でも誰も何も言わなかった。
 そのままで5年6年になるまで暴力は続いたんだ。

 寝小便防止のつもりが激しい虐めになってたんだね。
それだけならいいけど、ぼくは男のおもちゃにもされていた。
毎晩毎晩、先輩はぼくの口で気持ちいい思いをしていたんだ。
汚いし臭いし気持ち悪いし、それを毎日やられ続けるぼくの気持ちなんて知る人は居なかった。
今だったら慰謝料を山ほど請求したかもしれないな。
 盲学校を卒業して40年近く恨みに恨み続けたよ。
同窓会で会っていたら何をしたか分からない。
だからぼくは母校とも縁を切ったんだ。
精神的に保てなくなるからさ。
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