浅黄色の恋物語
 カサブランカはプランターに植えてあります。 二つずつ二つ。
21年の秋に買ってきた球根が二つ、それと去年買ってきた球根が二つ。
 一昨年買ってきた球根は去年は鉢で花を咲かせました。
今年も鉢に植えていたんですけど2本ずつ芽が出たものだから花が終わった後にプランターに植え替えたんです。
 やっぱりカサブランカはいいですねえ。 あの香りが堪らない。
香水も作られてるらしいけど高いからなあ、、、。

 花が終わって茎が枯れてしまうと本当に寂しくなります。
水やりもそれまでよりはしなくなるからね。
 母さんが生きてたら毎日はしゃいでたんだろうなあ。 好きだったから。
ぼくが子供の頃もパンジーとか百日紅とか育ててましたからね。
 でもさあ、なんでカサブランカだったの?
それは母さんが好きでも植えられなかった花だから。
 そう、2019年からチャレンジはしてたんですよ。
最初こそ隣のおじさんに根を切られて失敗しましたけど、、、。
 その後は毎年咲かせてきました。
でもなぜか2年目は咲かなかったんですよね。 今年初めて成功した。
しかも一つの球根から二つの芽が出た。
夢かと思った。 でも現実だった。
 40代までは自分がそんなことをするとは予想もしなかったのに、、、。
虐められてもきたからかな、花を見てると妙に癒される。
 葉っぱを触ってると花の気持ちが分かってくる気がする。
アニマルセラピーもいいけれどフラワーセラピーもいいもんだね。
 ぼくはいつも一人だったからさ。
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