浅黄色の恋物語
 その頃、母さんは再婚したんだよね。 相手は何とも言えないおじさんだった。
拒否することも出来たんだけど、母さんの未来を考えるとね、ぼくには拒否できなかった。
 「10年後、これで良かったって思える自信が有るなら再婚してもいいよ。』
つまりさ、これが本当の幸せに繋がるのか真剣に考えろってぼくは言ったんだ。

 案の定、問題はすぐに起きた。
ぼくも同居した頃、親父たちはぼくの障害基礎年金を食べ尽くして贅沢三昧をやってたんだ。
親父さんがまともに働いてたら文句は言わないよ。 立派な生活保護氏だった。
 親戚まで呼び集めて毎晩豪勢な夕食を作って持て成すんだ。
たまたま通帳を覗いた祖母が激怒した。 残金は1円も無かったから。
 それでぼくは実家に戻ったんだ。
でもそしたら祖母が今度は「通帳を渡せ!」って迫ってきた。
渡してたらぼくは完全に潰されてたよ。 あの人は「自分は偉い人間だ。」って死ぬまで思い込んでたから。
 通帳を渡さないもんだから周囲の人たちに「あいつは食費すら渡さない。」って言いふらして歩いていた。
まったくもって、まともな身内が居なかったんだ。
寂しかったねえ。
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