浅黄色の恋物語
 マッサージをしながら手を握ったり足を暖めたり、、、。 そこまでしなくても、、、。
でもね、そのスキンシップが知らない間におばあちゃんたちを安心させてしまうんです。
 実はこの施設、去年も来てました。
その時は肩に触れただけで「ワー キャー!」って悲鳴を上げるおばあちゃんが居ましたです。
でもね、その人と半年関わっている間に変わってきたんですよ。
悲鳴を上げないどころか揉んでいる間に寝てしまうようになりました。
 職員さんは「すごいねえ。 ゴッドハンドだ。」って驚いてましたっけ。
ぼくはふつうに撫でたり摩ったりしてただけなんだけどなあ。
 それでもね、攻撃されないことが分かると安心するんです 人間って。
 そのおばあちゃんも痴呆が入ってたのかな、それでもね安心したように寝てました。
 最初は大変でしたよ。 何回も齧られたり攻められたりしました。
ぼくはもう慣れっこだったから何とも思いませんでした。
 そのおばあちゃんが亡くなってしばらくしてから一度、マッサージを辞めたんです。
そしてこの夏に戻ってきたわけですよ。
 あまり仕事は増えてないんですけど、、、。
< 7 / 40 >

この作品をシェア

pagetop