ReTake2222回目の世界の林葉響子という世界線(裏)

5:EP16:モモさんと私の違い

 平日は1度くらい外食をしたり、モモさんの手料理をごちそうになった。土曜日の夜はモモさんの家にお泊りをした。モモさんは本当に眠る時には義足を外す。モモさんが義足を外したら、それからのエッチはない。
 平日はデートが終わると、必ず私のマンションの下まで送ってきてくれる。モモさん曰く「大事な響ちゃんが危険にさらされるのは嫌だから」だそうだ。もうこんな扱いに慣れていない私は舞い上がってしまう。
「部屋でコーヒーでも」と誘っても「何もしないで帰る自信がないので今日はやめておくよ」と帰ってしまう。何かして欲しいから誘っているんだけど。
 週末のお泊りの時も、モモさんの手料理を食べて、色々なお話をしたり、二人で動画を見たりして、一緒にお風呂に入って、ベッドに入る時には義足を外してしまう。つまりエッチがない。
 
 2回連続エッチなしなお泊りだったので、次の週には満を持してのお泊りだったけれど、私が生理になってしまった。モモさんが義足を外してベッドに入ってきた。いつものように腕枕をしてくれて私は腕に抱かれた。三橋だったら生理の時はフェラするのが女の義務だろとか言っていたので、そういうもんだと思ってしまう自分がいる。
 モモさんには義務という訳ではなく、愛の形として奉仕したい。私は腕を抜けてモモさんのスウェットズボンを下ろした。
「響ちゃん、どうした?」
「私生理だし、モモさんに気持ちよくなってもらいたい」
「ちょっと待って」モモさんは体を起こした。
「響ちゃん、生理だからってそんな事しなくていいんだよ。響ちゃんの仕事じゃないんだから」
「ちがう。私が生理だからってだけじゃなくって、私モモさんに何もしていないから、私がモモさんの事好きだって伝えたい」
「十分伝わっているよ。不安にさせてる?だとしたら謝るよ。響ちゃんが僕を好きでいてくれているのは十分伝わっている」
「私が口でするのは嫌だ?」
「嫌じゃないよ。だけど僕は響ちゃんを自分の性欲を果たす為に使うみたいな事はしたくないよ」
「……私が口でするのは嫌?」
「そんな事言ってないって」
「……監視カメラの動画のせい?」
「だから……なにそれ?なんの事言ってるの?」
「いい、やめてよ。誤魔化さないでよ。モモさんは動画見たんでしょ?私の事汚いって思ってる?」
「思っていないよ。汚いって思っていたらキスできないよ」
「じゃあなんで?なんで私は好きな人に奉仕できないの?」
「奉仕とかそういう関係じゃないんだよ。僕は響ちゃんが好きで、響ちゃんも僕を好きでいてくれている。お互い大切にしたい気持ちを大事にしようよ」
「モモさんが私を気持ち良くしてくれるのに、私はモモさんを気持ち良くさせられてないじゃん。不公平じゃん」
「十分気持ちよくさせてもらっているよ。僕は響ちゃんが好きだから、響ちゃんに気持ち良くなってもらいたい。僕の希望なんだよ。僕が響ちゃんを気持ち良くするのは」
「だったら私だってモモさんの事を気持ち良くしたい。そういう希望を持っちゃダメ?女が自分からそうな風に思うのはダメ?」
「……参ったな……わかった。響ちゃん、ちょっと座って」

 モモさんと私はベッドの上で向かい合って座った。
「嫌われたくないけど。まずね、僕の左足の切断面は、頑張って清潔にしてもちょっと臭いんだ。だから義足を外して響ちゃんが顔を近づけると、僕は臭わないかとても気になってしまうんだ。一緒にお風呂に入っているから見ているとは思うけれど、ちゃんと義足を外してよく洗ってはしているけれど、どうしても一日中プラスチックの中に入れているからね。匂いが残る。若いころの足の匂いみたいにね。だからそっちの方が気になってしまう」
「どうでもいい!」
 私はモモさんの上半身を突き飛ばして寝かせ、モモさんのズボンを下げようとした。
「ちょっと待ってって。ああもう。事故の時に付き合っていた女性にね、脚が臭いって言われたんだ。結構トラウマ。だからね、響ちゃんがどう思うかじゃなくって、僕がそう思っちゃうんだ。理解してもらえないかな?」
「……じゃあ1回だけ。今夜だけ私の為に我慢して私の好きなようにさせて。私にモモさんを愛させて。お願いだから。私を汚いって思っていないって証明してよ」
「……わかったけど、なんか男女逆転の図だね」
 モモさんは自分でスウェットズボンを脱いでくれた。私が下着も脱がせた。私は精一杯、渾身の丁寧さでモモさんを愛した。三橋にもした事がない、誰にもした事がない相手を喜ばせたいという気持ちを込めたフェラをした。
 モモさんのは大きいから、絶対に歯を当てないように、目一杯頑張った。
「響ちゃん、響ちゃんのも舐めさせて……」
「私は生理だから……まだ3日目だから出血も多いし、臭いもしちゃうから」
「響ちゃんだって僕が臭いが心配だからわかって欲しいと言ったのに、自分の意志を押し通したんだから、僕にも舐めさせて」
 私は初めて生理中のあそこを好きな人に舐めてもらった。この人に隠す事はもうないなぁと思いながらも、汚しちゃうとか臭わないかとかの心配と、モモさんの優しく柔らかな舌使いですごく幸せで気持ちよくって……
 モモさんは私の口の中で出してくれた。私は好きな人の精子を飲んだ。今までは飲まないと自分が気持ち良くしてもらえないから飲んでいたけれど、今夜はどうしても飲みたかった。大好きなモモさんの精子を飲みたかった。

 モモさんとはその後も仲良くできている。いつだって優しく大きな包容力で包んでくれる。
 口でした日以降、前の週にエッチがなかった時には自分から「したい」と言えるようになった。けれど本当は足りない。月に1度か2度では全然足りない。私は淫乱なダメ人間なのだろうか?最低週3回はしたいだなんて、性欲過多なんだろうか。優しいセックスも素敵だけれど、時にはめちゃくちゃにされたい。力ずくで道具のように扱われたい。生きていると悩みが尽きない。
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