『夢列車』   ~過去行き、未来行き~
 スタバで彼女と向かい合った。
 エキナカのトイレが混んでいて時間がかかったことを申し訳なさそうに詫びて、頭を下げた。
 気にしなくていいと右手を小さく振ったが、電話の件も含めてごめんなさいと再度頭を下げた。
 あの時は深夜まで保管庫での仕事が続いて連絡ができなかったということだが、それは電話を受けた時に聞いてもう納得済みだった。
 しかし、彼女は直接謝りたかったらしい。
 誠実な人柄にちょっと感動した。
 それに、顔とスタイルが申し分なかった。
 マスクを外した顔に見惚れた。
 正に好みのタイプだった。
 夢の中に出てきた顔とは違っていたが、同い年とは思えない肌の張りに目を見張った。
 手入れが行き届いていることが男の目でもよくわかった。
 それに、丸顔にマッチしたセミロングが似合っていた。
 笑うと右頬に小さなえくぼが出るのも魅力的だった。
 それと、ちょっと見しかできなかったが、足がすらっと長く、両膝の間に隙間は見えなかった。
 理想的なスタイルであることは間違いなかった。
 
 
 
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