『夢の旅人』 ~過去へ、未来へ~
「兄らしいわ」
そして、〈うふふ〉と歯を見せて笑った。
本当に可笑しそうだった。
それを見て、高松さんのあの時の言葉も的外れではないかもしれないと思い直した。
「今から行ってみますか?」
すると彼女は小さく頷いてバッグから葉書を出し、わたしの方へ差し出した。
今年の年賀状だった。
表面に高松さんの住所が書かれていた。
その場所は大体の見当がついた。
「浜松は初めてなのでお任せしてもよろしいですか?」
わたしは頷いて、葉書を持って立ち上がった。
店を出て南口のタクシー乗り場に向かうと、ずらりと並んだ客待ちのタクシーがあくびをしていた。
どれも顎が外れそうなくらいの大きなあくびだった。
ボディーに書かれた社名が〈暇〉という文字に変わって見えた。
小型に乗るつもりだったが、行く先がそんなに遠いわけではないし、こんな素敵な女性に窮屈な思いをさせるわけにはいかないので、足元の広い中型にした。
彼女を奥の席に通して、自分はその横に座った。
膝を揃えて座る彼女の足がドア側にすらりと伸びるのを見て、目を奪われた。
それに、横から見る彼女の胸の膨らみがスリムな体に似合わない大きさに見えて、ハッと目を見開いてしまった。
しかし、すぐに視線を前方に向けて運転手に住所を告げた。
彼は「わかりました」と頷いて、ナビに住所を入力した。
15分ほどで着くということだった。
そして、〈うふふ〉と歯を見せて笑った。
本当に可笑しそうだった。
それを見て、高松さんのあの時の言葉も的外れではないかもしれないと思い直した。
「今から行ってみますか?」
すると彼女は小さく頷いてバッグから葉書を出し、わたしの方へ差し出した。
今年の年賀状だった。
表面に高松さんの住所が書かれていた。
その場所は大体の見当がついた。
「浜松は初めてなのでお任せしてもよろしいですか?」
わたしは頷いて、葉書を持って立ち上がった。
店を出て南口のタクシー乗り場に向かうと、ずらりと並んだ客待ちのタクシーがあくびをしていた。
どれも顎が外れそうなくらいの大きなあくびだった。
ボディーに書かれた社名が〈暇〉という文字に変わって見えた。
小型に乗るつもりだったが、行く先がそんなに遠いわけではないし、こんな素敵な女性に窮屈な思いをさせるわけにはいかないので、足元の広い中型にした。
彼女を奥の席に通して、自分はその横に座った。
膝を揃えて座る彼女の足がドア側にすらりと伸びるのを見て、目を奪われた。
それに、横から見る彼女の胸の膨らみがスリムな体に似合わない大きさに見えて、ハッと目を見開いてしまった。
しかし、すぐに視線を前方に向けて運転手に住所を告げた。
彼は「わかりました」と頷いて、ナビに住所を入力した。
15分ほどで着くということだった。