『夢列車の旅人』 ~想いを乗せて列車は走る。過去へ、未来へ~
高松さん
仕事場へ行くと、松山さんは休みだった。
風俗の話を聞かされなくても済むのでほっとしたが、なんとなく寂しい気もした。
彼と一緒にいると楽しいし、時間が進むのが早く感じられるからだ。
今晩の相方は高松さんだった。
正確な年齢は知らないが、50歳の松山さんと同じくらいと聞いていたので、わたしより10歳ほど年上のようだ。
しかし、スポーツ刈りの中に白髪が目立っているので、実際の歳よりも老けて見えた。
ふと、初顔合わせの時のことを思い出した。
「丸亀の生まれですか?」と訊いたら、変な顔をされたのだ。
「坂出?」と訊いたら、嫌な顔をされた。
「松山と一緒にしないでくれ!」と不機嫌になった。
でも、五十歩百歩だった。
高松さんは高知県高知市の出身なのだ。
もしかしたら、今まで「高知生まれの高松です」と自己紹介をしていたのかもしれないのだ。
それが、この工事現場では松山さんが先に同じような自己紹介をしたので、お株を盗られた格好になって、面白くなかったのかもしれない。
本当のところはわからないが、そんなことを考えるとおかしくなった。
と同時に、〈次は徳島さんに出会わないかな〉と変な期待を抱いている自分を滑稽だとも思った。
風俗の話を聞かされなくても済むのでほっとしたが、なんとなく寂しい気もした。
彼と一緒にいると楽しいし、時間が進むのが早く感じられるからだ。
今晩の相方は高松さんだった。
正確な年齢は知らないが、50歳の松山さんと同じくらいと聞いていたので、わたしより10歳ほど年上のようだ。
しかし、スポーツ刈りの中に白髪が目立っているので、実際の歳よりも老けて見えた。
ふと、初顔合わせの時のことを思い出した。
「丸亀の生まれですか?」と訊いたら、変な顔をされたのだ。
「坂出?」と訊いたら、嫌な顔をされた。
「松山と一緒にしないでくれ!」と不機嫌になった。
でも、五十歩百歩だった。
高松さんは高知県高知市の出身なのだ。
もしかしたら、今まで「高知生まれの高松です」と自己紹介をしていたのかもしれないのだ。
それが、この工事現場では松山さんが先に同じような自己紹介をしたので、お株を盗られた格好になって、面白くなかったのかもしれない。
本当のところはわからないが、そんなことを考えるとおかしくなった。
と同時に、〈次は徳島さんに出会わないかな〉と変な期待を抱いている自分を滑稽だとも思った。