『夢列車』 ~過去行き、未来行き~
列車のドアは開いていた。
薄暗いプラットホームに降りると、改札への誘導灯が見えた。
導かれるように歩いていくと、無人の改札口に設置されたディスプレーが「止まれ」と合成音声を発した。
それに従って立ち止まると、〈本人確認〉という文字が表れた。
すぐさま〈顔認証〉が始まった。
終わった瞬間、右手人差し指にロボットアームが伸びてきて〈指紋認証〉が始まった。
それが終わると、「口を開けなさい」という指示がディスプレーから発せられた。
言われるまま口を開けると、ロボットアームが伸びてきて口の中に綿棒を差し込み、頬の内側を何度も往復するように擦った。
〈遺伝子認証〉だった。
数秒後に〈本人確認終了〉という文字が現れた。
と同時に改札ドアが自動で開き、わたしは未知の空間に向けて足を踏み出した。
改札を抜けて構内を歩いていくと、北口という表示が見えた。
外に出ると、見慣れた景色が目に入った。
嫌でも目に付く円形状の建物は紛れもなく駅前のバスロータリーだった。
えっ?
浜松駅?
驚いて左を見た。
〈遠鉄〉があった。
右には〈アクトシティ浜松〉があった。
浜松駅に間違いなかった。
自分が住んでいる町の1か月後に来たようだった。
それがどういう意味を持つのかさっぱりわからなかったが、ここでじっとしていても仕方がないので、景色を一つ一つ確認しながら歩いてみることにした。
薄暗いプラットホームに降りると、改札への誘導灯が見えた。
導かれるように歩いていくと、無人の改札口に設置されたディスプレーが「止まれ」と合成音声を発した。
それに従って立ち止まると、〈本人確認〉という文字が表れた。
すぐさま〈顔認証〉が始まった。
終わった瞬間、右手人差し指にロボットアームが伸びてきて〈指紋認証〉が始まった。
それが終わると、「口を開けなさい」という指示がディスプレーから発せられた。
言われるまま口を開けると、ロボットアームが伸びてきて口の中に綿棒を差し込み、頬の内側を何度も往復するように擦った。
〈遺伝子認証〉だった。
数秒後に〈本人確認終了〉という文字が現れた。
と同時に改札ドアが自動で開き、わたしは未知の空間に向けて足を踏み出した。
改札を抜けて構内を歩いていくと、北口という表示が見えた。
外に出ると、見慣れた景色が目に入った。
嫌でも目に付く円形状の建物は紛れもなく駅前のバスロータリーだった。
えっ?
浜松駅?
驚いて左を見た。
〈遠鉄〉があった。
右には〈アクトシティ浜松〉があった。
浜松駅に間違いなかった。
自分が住んでいる町の1か月後に来たようだった。
それがどういう意味を持つのかさっぱりわからなかったが、ここでじっとしていても仕方がないので、景色を一つ一つ確認しながら歩いてみることにした。