幼なじみの甘い低温
「茉耶が誰かをすきになるなんて珍しいから、さ」
「うん、すごく久しぶりかも。南雲直くんはね、昨日の講義の時に知ったの」
昨日の講義、と頭の中で反芻する。昨日は午後に必修があって、茉耶も同じ講義を取っていた。
わたしは午前、まだ家でだらだらしながら本を読んでいた。ということは、選択科目を午前に取っていた、ということかな。
そこに直がいたんじゃないか、と茉耶の言葉を受け取る前に一通りの推理を終えた。
「午前の選択で、たまたま隣になったのが直くんでね。その教授の講義はじめて取ったからあわあわしてたら、いろいろ教えてくれたんだ〜」
「やさしいひと、なんだね」
「うん!毎週月曜が楽しみになっちゃった」