幼なじみの甘い低温
「来週以降も隣の席になれるかわからないから、隣を狙いに行くべきなのかな〜?」
「んー、どうだろ。……ちなみに、連絡先とかって」
茉耶が直とどのくらいの距離感にあるのか気になった。
それとなく、連絡先の有無を聞いてみる。
「昨日聞いた!前日に言ってみようかな。今はまだ未読なんだよね、朝送ったメッセージ」
「…………うん、いいと思う」
いいと思う、なんて少しも思ってないくせに。
それどころか今、メッセージが未読という事実に安心してほっとしてしまっている。
良かった、なんて。自分はこれほどまでに性格がわるかったのかと心の中で嘲笑する。
いや、それもいまさらか。これまでもずっと、直のことになると自分のきらいな古賀栞に支配される。