【書籍化】私の人生は私のものです
17 自分勝手な主張 ①
(アキーム視点)
「どうして離婚が成立しているんだ!」
離婚に納得できなかった僕は、役所に行って文句を言ってみた。
でも、離婚届はサブリナが提出したものであり、オルドリン家に確認したところ、母上が離婚することは間違いないと答えたそうで、今更、破棄はできないと言われた。
「ねえ、アキーム様。もういいじゃないの。このままわたしを養ってよ」
ベルはあれだけサブリナを攻撃することに必死だったのに、ワイズ公爵家を敵にまわしたくないからか、今は僕からサブリナに近づけないようにしてくる。
「君は勝手だよ。勝手すぎる。僕はサブリナに情が湧いていたんだ! あんなに僕の思い通りに動く女性はいない! 別れるつもりはなかったんだ!」
「サブリナの代わりならわたしにだってなれるわよ! だから、もう、屋敷に帰りましょうよ」
ベルが僕の腕を掴んで言った。
「簡単に言ってくれるが、君はサブリナのように従順な女性になれるのか?」
「なるわ! なってみせるわよ!」
「それなら、僕のやろうとしていることを邪魔するな。サブリナはこんなことで文句を言わなかったよ」
「文句じゃないわ! あなたのためを思って言っているのよ!」
「僕のため? 違うだろ。君自身のためだ」
役所の出入り口で喧嘩をしていたからか、多くの人の視線が集まっていることに気づいた僕は、彼女の言う通り、屋敷に戻ることにした。
サブリナがどこにいるかはわかっている。
だから、迎えに行くための準備を整えないとならない。
それに、母上に確認しなければならないこともある。
馬車を停めている場所に向かっている途中で、見知った顔に出会ったので声をかけようとすると、なぜか、背を向けて元来た道を戻っていく。
どういうことだ。
僕に気づかなかったんだろうか。
一人目はそう思ったが、二人目に声をかけようとした時、その人物から言われた。
「今、君と仲良くしているところを見られたい奴なんていないよ。だから、悪いけど、話しかけないでくれないか」
そう言った男は、逃げるように僕から離れていく。
「そんな……、おかしいだろう。 僕は離婚されたんだぞ!?」
逃げる男の背中に向かって叫ぶと、彼は振り返らずに答える。
「離婚されるようなことをしたんだから当たり前だろう! 君は多くの女性の憧れの的だったが、今ではただの浮気男扱いだ」
「う、浮気なんて僕はしていない!」
「もう諦めろ。そちらのお嬢さんと仲良くやればいいだろう!」
「ち、違う。僕は離婚するつもりはないんだ!」
信じられない。
どうして、こんなことになるんだよ!?
「アキーム様はわたしに自分のことしか考えていないとおっしゃいましたけど、それはあなたもよね?」
ベルはそう言うと、僕の腕にしがみついた。
「どうして離婚が成立しているんだ!」
離婚に納得できなかった僕は、役所に行って文句を言ってみた。
でも、離婚届はサブリナが提出したものであり、オルドリン家に確認したところ、母上が離婚することは間違いないと答えたそうで、今更、破棄はできないと言われた。
「ねえ、アキーム様。もういいじゃないの。このままわたしを養ってよ」
ベルはあれだけサブリナを攻撃することに必死だったのに、ワイズ公爵家を敵にまわしたくないからか、今は僕からサブリナに近づけないようにしてくる。
「君は勝手だよ。勝手すぎる。僕はサブリナに情が湧いていたんだ! あんなに僕の思い通りに動く女性はいない! 別れるつもりはなかったんだ!」
「サブリナの代わりならわたしにだってなれるわよ! だから、もう、屋敷に帰りましょうよ」
ベルが僕の腕を掴んで言った。
「簡単に言ってくれるが、君はサブリナのように従順な女性になれるのか?」
「なるわ! なってみせるわよ!」
「それなら、僕のやろうとしていることを邪魔するな。サブリナはこんなことで文句を言わなかったよ」
「文句じゃないわ! あなたのためを思って言っているのよ!」
「僕のため? 違うだろ。君自身のためだ」
役所の出入り口で喧嘩をしていたからか、多くの人の視線が集まっていることに気づいた僕は、彼女の言う通り、屋敷に戻ることにした。
サブリナがどこにいるかはわかっている。
だから、迎えに行くための準備を整えないとならない。
それに、母上に確認しなければならないこともある。
馬車を停めている場所に向かっている途中で、見知った顔に出会ったので声をかけようとすると、なぜか、背を向けて元来た道を戻っていく。
どういうことだ。
僕に気づかなかったんだろうか。
一人目はそう思ったが、二人目に声をかけようとした時、その人物から言われた。
「今、君と仲良くしているところを見られたい奴なんていないよ。だから、悪いけど、話しかけないでくれないか」
そう言った男は、逃げるように僕から離れていく。
「そんな……、おかしいだろう。 僕は離婚されたんだぞ!?」
逃げる男の背中に向かって叫ぶと、彼は振り返らずに答える。
「離婚されるようなことをしたんだから当たり前だろう! 君は多くの女性の憧れの的だったが、今ではただの浮気男扱いだ」
「う、浮気なんて僕はしていない!」
「もう諦めろ。そちらのお嬢さんと仲良くやればいいだろう!」
「ち、違う。僕は離婚するつもりはないんだ!」
信じられない。
どうして、こんなことになるんだよ!?
「アキーム様はわたしに自分のことしか考えていないとおっしゃいましたけど、それはあなたもよね?」
ベルはそう言うと、僕の腕にしがみついた。