結婚白紙にされた傷心女子は、再会した御曹司に求婚される。



「ゆ、優仁?」

「ありがとう、花耶。嬉しいよ、とても嬉しい」

「本当に?」

「あぁ……花耶。順番が逆になってしまったけど、結婚しよう」


 優仁は、私に微笑みそう告げてプロポーズをした。私もそれを受け入れた。


 それから、私は優仁の実家に向かった。
 優仁の実家は大体の人が知っている医薬品メーカーTAKANASHIを経営していて社長は彼の父親だ。


「大丈夫かな、本当に……」
「花耶、心配しないでいい。俺がいるから」


 優仁はそう言ってくれたけど、私は不安でいっぱいだった。
 だって私は一般家庭で育ったから、お金持ちのマナーだとかわからない。第一、どんなご両親なのか……とか不安ばかりだ。

 優仁の運転で到着したのは高級住宅街にある立派なお屋敷だった。

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