結婚白紙にされた傷心女子は、再会した御曹司に求婚される。
「す、すごいね」
「そうかな?」
服装もこの日のために買ったワンピースだけどこの家に相応しいかわからないし、百貨店で買った手土産も大丈夫なのか全くわからない。
そんな不安を抱えながらも優仁に連れられて屋敷に入ると、出迎えてくれたのは優仁のご両親だった。
「あなたが、花耶さん?」
そう声をかけて来たのは優仁のお母様だ。私が見てもわかる上質なワンピースを着ており、生粋のお嬢様だと聞いた通り口調も仕草も上品な人だった。
「はい。初めまして、望月花耶といいます」
「そう……私は、貴女と優仁の結婚は正直反対よ。一般人の娘となんて、優くんの相手には相応しくないわ」
「……っ……」
やっぱり認めては貰えないよね、予想通りだ。