結婚白紙にされた傷心女子は、再会した御曹司に求婚される。
「今日だって俺が言わなきゃ体調悪いって言ってきてくれなかっただろ」
「それは悪阻で身体が辛かったんだよ。会いたくなくて会わなかったんじゃないよ」
「悪阻は病気じゃないって母さんは言っていた。それに――」
優仁が何か言おうとした時「話は終わった? 優くん」と聞いたことのない女性の声が聞こえてきた。
「瑚乃美ちゃん……今話しているところだよ」
瑚乃美と呼ばれた人はいかにもお嬢様という感じで、私に向けている表情とは違い彼も優しく微笑みかけている。
「瑚乃美ちゃんが来たんだし、紹介するよ。この子が俺の好きな子で、服部医療機器のご令嬢だ。君とは違って育ちも良いし可愛らしい」