結婚白紙にされた傷心女子は、再会した御曹司に求婚される。
「だ、だけど……病院で診てもらったら結果は陰性でしたとかあるかもしれないし、必ず合ってるかなんてわからないんだから」
……うん、まずは、予約しよう!
今、私が住んでいる社員寮から出来るだけ遠くにある産婦人科クリニックを地図アプリから検索する。
出てきたのは、七件がヒットして一つずつレビューを眺めて【新しいクリニックで綺麗】【女医さんで優しく受付の人も優しかった】【気遣いが嬉しくて、オススメしたいです】などと出ていた一番最初に出てきたところを選んでホームページを開く。
ホームページの端に書いてあった予約専用の電話番号を見つけた。それをスマホに番号を入力すると、ツーコールほどで電話が繋がって元々明日はお休みだったので明日の十一時に予約することができた。
翌日、私は朝早く起きてクリニックに行く準備をして地図アプリを開き睨めっこをしていた。ここから最寄駅で電車に乗り込んで二つ乗って南の出口から徒歩五分って出ているし……きっと、すぐに到着すると思うけど初めて行く場所だから心配だ。
それから二回ほど地図を見て部屋を出た。寮を出て駅までは目の前なのですぐそこなので迷わないし、新幹線パーサーをする前の新人の時の職場が案内係だったので逆に誰かに見られないか心配なのだが仕方ない。
切符を買い改札を通ると、調べた通り電車で二駅乗って降りる。改札を出て南出口に向かって歩き出して景色を見ながら進んでいくと、クリニックらしくないおしゃれな看板が見えた。