結婚白紙にされた傷心女子は、再会した御曹司に求婚される。
友人の訪問
部屋のドアを開けると、いつもと変わらずおしゃれで可愛らしい服装の桃花がいた。
「体調まだ良くなってないって聞いたけど、大丈夫?」
「うん。なんとか……明日は仕事だしね」
桃花を部屋の中に招き入れると、定位置の一人用ソファに座った。
「お土産買って来たよ、花耶が好きな焼きプリン」
「ありがとう。嬉しい……」
それが入っている紙袋は駅前の洋菓子店のロゴが入っていてプリンの他に果物ゼリーが数種類入っていた。
「こっちのゼリーはお見舞いだよ。こっちはお土産。プリンは一緒に食べよう」
「うん」
これなら食べられそうだ。最近、吐きづわりが出て来てあまりご飯が食べられていないし昼間もあんなことがあったから食事どころじゃなかった。
私は彼女からプリンと使い捨てのスプーンを受け取る。蓋をとってくれてプリンが私の前に置かれた。