結婚白紙にされた傷心女子は、再会した御曹司に求婚される。
「入籍前に、別れを告げられてお別れをしました。なので私は、一人で育てることにしました」
「……そう、あなたならもっと上にいく子だと期待していたのだけど。つわりが大変なら時短勤務を勧めるわ。ずっと体調悪そうだったでしょ、今後もそんなことがあったらシフト調整も大変になるし」
「いえ。時短勤務ではなく今まで通り働きたいです。出産費用と子育て費を稼いでいかなくてはいけないので」
「気持ちはわかるけどね。だけどね、乗車している時に倒れたら困るのよ」
「……っ、大丈夫です。それはちゃんと気をつけます」
妊娠がわかってから悪阻症状で体調不良の日もあったけどなんとかやってこれたのだしこれからも大丈夫だ。
「はぁ、まぁいいわ。だけどよく考えて決めなさい。これは申請書の紙、一応渡しておく」
「……わかりました、失礼します」
私は紙を受け取ると、所長室を出た。
もっともっと頑張らなきゃと決意して。