結婚白紙にされた傷心女子は、再会した御曹司に求婚される。
助け



 目が覚めて見えたのは白い見知らぬ天井と点滴の袋が見えた。目だけでキョロキョロと見渡すと病室のような部屋で外は少し騒がしい。


「……ここは、……」


 病室みたいだと思ったけど、私は仕事をしていたはずだ。もうすぐ事務所に着くってところから記憶がないけど、まだ勤務中だと思うのにまさか倒れてしまったのだろうか。

 すると、部屋のドアが開いて「望月さん、目が覚めましたか?」と女性の声がした。


「……はい、ここはどこですか? あなたは」

「ここはさくらファミリー総合病院です。私は看護師の和久井(わくい)といいます。今、先生が来てくださいますので」


 そう和久井さんという看護師さんが言うとドアをノックする音が聞こえて入ってきたのは白衣を着た男性。



「初めまして、望月さん。私は、産婦人科医の佐倉といいます。倒れられた時のこと覚えてますか?」

「いえ……だけど誰かに支えられたことは覚えていて」

「そうですか。今回倒れられたのは、脱水症状と軽い栄養失調です」

「栄養失調?」



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