結婚白紙にされた傷心女子は、再会した御曹司に求婚される。
確かに最近、食事ができなくなっていたし気持ち悪くなるから水すらも飲めてなかったことを思い出す。
今日も何も口にしていない。
「歩けていたのが不思議なくらいですよ。望月さんは妊娠悪阻という病気になります。点滴をしていくので一週間の入院をしましょう。なので、病室に移動をしたいと思うのですがよろしいですか?」
「はい、大丈夫です。よろしくお願いします」
今の症状でこれは病気だと言われてなんだか安心した。
「あ、先ほど友人の方が荷物を持ってきてくださったので一緒に運びますね」
先生にありがとうございます、と言おうと思ったのに安心してしまったのか私は眠気が襲ってきて再び意識が落ちていった。
次に目が覚めたのは外が真っ暗になっていて、なぜか病室が何か違う。
「部屋が違う……そういえば病室変わるって言ってたな……それに一週間の入院か、所長に話をしないと」
あんな強気で今までと同じ仕事でも大丈夫だと言ったのにすぐこんなことになって怒られるよね、最悪異動かもしれない。