結婚白紙にされた傷心女子は、再会した御曹司に求婚される。
そんなふうに考えていた翌日のお昼。病院に桃花と所長がやってきた。
「調子はどう?」
桃花は分かるけど、まさか所長が病院まで来てくれるなんて思わなかったから驚く。
ちょうど点滴をしてもらっていたのもあったが、今朝から起き上がるのも難しいくらいになってしまっていた。相当、身体は頑張っていてくれたのだろう。
「所長……こんな状態ですみません」
「無理に起きなくていいわよ、そのままで大丈夫だから、少し話をしたくてね」
優しく言われて私はそのまま寝たままで話を聞くことにした。これは時短勤務を勧められるか休職をしろって言われるのかもしれない。
今のこの状態からして働けるとは思えない。