結婚白紙にされた傷心女子は、再会した御曹司に求婚される。
出会い
入院をして四日、吐き気やめまいで起きるのも辛かったが一時間くらいは起き上がって座っておしゃべりもできるようになっていた。
「こんにちは、望月さん。調子良さそうですね」
「あっ、先生。こんにちは! はい、悪阻が始まってから一番体調が良いです」
「それは良かったです、以前話をしていた清水川をつれてきました。今いいですか?」
「あ、わかりました。お願いします……」
私が了承すれば、佐倉先生は一度出て手招きをして一人の長身な男性を連れて来た。
その人は、栗色の髪に長髪で清潔感がある。前髪はセンターパートにしていて緩くパーマがかかっていて後ろは一つに縛っていて大人の色気というのが漂っている。だが、目元が少しだけ厳つい顔で話しかけられない雰囲気もあるけれど美青年だと思う。
とてもいい人オーラが滲み出ている。
「小児外科医の清水川。少し見た目は厳ついけど怖くないから」
そう佐倉先生が言うと、清水川先生は「どんな紹介だよ」と呟いていて仲が良い雰囲気だ。