結婚白紙にされた傷心女子は、再会した御曹司に求婚される。
「小児外科医をしている清水川伊誓といいます。先月まで、名古屋の連携病院で働いていて望月さんが倒れた日に東京に戻ってきた日でした」
「そうなんですか……そんな日にすみません、ご迷惑をおかけして」
そんな疲れている時に面倒をかけてしまったなんて……休日にお仕事のようなことをさせてしまったかもしれない。
「いえ、それは気にしないでください。僕がしたくてしたことなので」
「それでも、ありがとうございました。清水川先生のおかげで助かったのは本当なので、本当に感謝してます」
私が一度目線を合わそうと顔をもう一度見るとなぜか見覚えがある……学生の頃によく話してくれた金髪男子に似ていた。だけど、目の前には黒髪の男性だ。
こんなこと聞いたら失礼じゃないんだろうか、とウダウダ考えていたら「あの、望月さん」と遠慮気味に声をかけられた。