結婚白紙にされた傷心女子は、再会した御曹司に求婚される。
それからも勤務は月岡さんと一緒で同じように気を使われるということが多くなった。それは私が悪阻で出勤できなくなった時に月岡さんがいればなんとかなるからという理由だろう。
「……望月さん、大丈夫? 顔色が悪いけど」
「大丈夫です、平気です。気を使って下さってありがとうございます」
「全然いいけど、休んできたらどうですか?」
「……そうします、少しだけ」
私はそれだけ言って休憩場所へと歩き出す。今は仕事中でお客様の目があるってわかってるのに涙が溢れてきて泣いてしまった。新幹線から降りるまでには涙は止まって事務所に戻った。