結婚白紙にされた傷心女子は、再会した御曹司に求婚される。
ワンナイトと婚約


 翌日の夕方になり、私は気持ち悪さに耐えながら待ち合わせのカフェに向かった。


「花耶!」


 店内に入るとすぐに名前を呼ばれてそちらを向けば優仁がいた。彼はいつもと同じテーブル席に座っていたので私はそのテーブル席に近づいて座る。


「久しぶりだな、花耶」

「うん、そうだね」

「あの夜ぶりだな……なんか注文するだろう? 花耶はいつもフレンチトーストかな」


 メニューの写真を見て食べやすそうなものを探して、一番最後のページにあるかぼちゃのプリンを見つけて指をさした。


「かぼちゃプリン? 珍しいな……じゃあ、飲み物はカプチーノかな」

「いや……ルイボスティーにする」

「今日は控えめだな」


 優仁が店員を呼んで注文をしていると、私は気持ち悪さに耐えながら彼と出会った日のことを思い出した。




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