結婚白紙にされた新幹線パーサーは、再会した御曹司ドクターに求婚されました。



「花耶も知っていたの?」

「うん。実は、悪阻で倒れた時に助けてくれたの。元婚約者に絡まれていた時も助けてくれたし」

「そうなの? 伊誓くん、ありがとうね」


 母はそう言うと、彼にどんな仕事なのかとグイグイ聞き初めておりそれを一つ一つ彼は誠実に答えていた。その様子を見ていると、伊織さんが声をかけてきた。



「花耶さん、今でも付き纏われているのか?」

「はい。何となく気配はするんですよね……だけど、同僚が行き帰り一緒にいてくれて何とか被害はないです」

「そうなのか。話は何となく聞いていたから知っていたが、それはとても心配だな……」

「大丈夫ですよ。寮で暮らしてますし、職場は目の前です」 


 付き纏われてはいるが、行き来は本当に楽な場所に住んでいる。だから本当に大丈夫だ。




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