結婚白紙にされた傷心女子は、再会した御曹司に求婚される。



「――で、話って何だった?」


 注文したものがテーブルに並んでお互い食べ終わると、最初に言葉を発したのは優仁だった。


「あ……えっと、あのね、私、赤ちゃんできたの」

「えっ」

「優仁と私の子、だよ」


 私はそう言うと彼の反応が怖くて視線を逸らす。


「……赤ちゃん、俺たちの子……」


 そう小さく呟いた彼を見ると何とも言えない顔をしていた。



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