行き場を失くした私を拾ってくれたのは、強くて優しい若頭の彼でした
とはいえ、それでもやっぱり割り切れない私は表情に表れていたのだろう。
見兼ねた私に七星さんは言葉を続けていく。
「心ちゃん、兄貴から俺らがどういう人間かっていうのは、教えてもらったんだよね?」
「あ、はい。その……皆さんが『蘇我組』という組織の方たちだということは聞きました」
「うん、それなら話は早い。兄貴はさ、若頭っていうポジションなんだ」
「若頭……?」
「まあ、組織内では上の立場の人間で、組長のお気に入り。言っちゃえば、兄貴は次期組長候補でもある。そんな兄貴はとにかく頭も良いし腕も立つし、組織に無くてはならない存在で、勿論、立場が上の人間だと俺ら下っ端以上に危険な仕事もあるからそれだけの対価を貰える。だから、正直お金には困らないんだよ、兄貴は」
七星さんの説明で八雲さんが『若頭』というポジションにいることを知ったもののいまいち想像し難いけれど、とにかく出来る人間で、組織のボスである組長さんにも一目置かれる、そんな立ち位置なのだと理解は出来た。
「それにさ、兄貴のところに住んでる俺らもみんな、心ちゃんと同じだよ」
「同じ?」
「俺らも兄貴に拾われてあの家に居るってこと」
そして、七星さんから自分や黒尾さん、御堂さんたちも私と同じでや八雲さんに助けてもらった身だという話を聞くことになった。
見兼ねた私に七星さんは言葉を続けていく。
「心ちゃん、兄貴から俺らがどういう人間かっていうのは、教えてもらったんだよね?」
「あ、はい。その……皆さんが『蘇我組』という組織の方たちだということは聞きました」
「うん、それなら話は早い。兄貴はさ、若頭っていうポジションなんだ」
「若頭……?」
「まあ、組織内では上の立場の人間で、組長のお気に入り。言っちゃえば、兄貴は次期組長候補でもある。そんな兄貴はとにかく頭も良いし腕も立つし、組織に無くてはならない存在で、勿論、立場が上の人間だと俺ら下っ端以上に危険な仕事もあるからそれだけの対価を貰える。だから、正直お金には困らないんだよ、兄貴は」
七星さんの説明で八雲さんが『若頭』というポジションにいることを知ったもののいまいち想像し難いけれど、とにかく出来る人間で、組織のボスである組長さんにも一目置かれる、そんな立ち位置なのだと理解は出来た。
「それにさ、兄貴のところに住んでる俺らもみんな、心ちゃんと同じだよ」
「同じ?」
「俺らも兄貴に拾われてあの家に居るってこと」
そして、七星さんから自分や黒尾さん、御堂さんたちも私と同じでや八雲さんに助けてもらった身だという話を聞くことになった。