迷惑ですから追いかけてこないでください!
シルバートレイを使ってみれば良いとカーコさんにすすめられたので、リッチマス卿が帰ったあと取扱説明書を読んでみました。
難しいことはあまり書かれておらず、対象年齢や悪用しないことが注意事項として強調されています。
あくまでも護身用としての使用を推奨しているみたいですね。
取扱説明書と一緒にキール様からの注意書きもありました。
市販のシルバートレイには魔法は付与されていないけれど、このシルバートレイには魔法が付与されていて、持っている人の身を守ってくれるとのことです。
「このシルバートレイは初代から、かなり改良されているみたいヨ。でも、魔法が付与されているのは初めてじゃないかしら。国によっては魔法を使えない国もあるからネ」
「では、このシルバートレイは一品ものというわけですね」
「そうなるわネ」
カーコさんと話をしていると、ラシルくんが手を伸ばす。
「ぼくもさわってみたいです」
「ラシルくんには重いから触るだけですよ」
「はい。ありがとうございます!」
ラシルくんにシルバートレイを触らせると、思ったよりも反応が薄いです。
「……おもちゃではないですね」
秘密兵器みたいな何かだと思っていたみたいですね。
ラシルくんががっかりした顔をしているので慰めます。
「そうですね。これは主に大人の女性が使うもののようです」
どんな時に使うか教えるのは、まだ早い気がしますから、詳しく聞かれないうににカーコさんに尋ねます。
「どう使えば良いのかわからないんですが」
「使い方は簡単ヨ。相手に乱暴されそうになったら、それを盾にすればいいノ」
「盾にすれば良いんですね」
「殴ってもいいわヨ」
「そんな! 私、今まで人を殴ったことがないんですよ!」
「貴族のお嬢さんなら、それが普通かもしれないケド、そんなんじゃラシルを守れないわヨ」
カーコさんに言われ、自分の考えがまだまた甘いのだとわかりました。
そうですよね!
世のお母さんは我が子のためなら命懸けですもの。
……私とラシルくんは赤の他人ですが、ラシルくんは良い子だし、大人の私が守るべき!
シルバートレイを握りしめて決意したあと、カーコさんたちに宣言します。
「ポッコエ様には聞いておきたいことがあるので行ってきます!」
「他の人に頼めば良いんじゃないノ?」
「あまり、多くの人に事情を説明したくないんです」
「そうカ。そうよネ。まずは、あのザコをやっつけてしまいマショ!」
「はい! では、行ってまいります!」
「ワタシも行くワ」
「ぼくもいきます!」
ラシルくんが手を挙げたので、カーコさんにお願いします。
「カーコさん。申し訳ないのですが、ラシルくんは一人でいるのが嫌なんです。一緒にいてあげてくれませんか」
「……しょうがないないわネ。このワタシが一緒にいてあげるワ」
「ありがとうございます」
胸を張るカーコさんにお礼を述べたあと、頬を膨らませているラシルくんに笑いかけます。
「少しだけ待っていてくれませんか」
「……いやです! ぼくもいきます!」
ラシルくんが私の足にしがみついてきました。
お母様がいなくなった時、ワガママを言ってでもついて行けば良かったと思っているのでしょうね。
私たちは会ってまだ3日目で、信頼関係などないはずです。
それでも、この子には頼れる人は私しかいないのですよね。
「大丈夫です。私には強い味方がありますので!」
「……ぜったいにかえってきますよね?」
まずは、ポッコエ様が何の用事で来たのか探らないといけません。
彼が相手ですから、命の危険はないでしょう。
「もちろんです」
「わかりました」
頭を撫でて頷くと、ラシルくんは私から体を離してくれました。
シルバートレイの使い方はいまいちわからないけど、実戦あるのみです!
難しいことはあまり書かれておらず、対象年齢や悪用しないことが注意事項として強調されています。
あくまでも護身用としての使用を推奨しているみたいですね。
取扱説明書と一緒にキール様からの注意書きもありました。
市販のシルバートレイには魔法は付与されていないけれど、このシルバートレイには魔法が付与されていて、持っている人の身を守ってくれるとのことです。
「このシルバートレイは初代から、かなり改良されているみたいヨ。でも、魔法が付与されているのは初めてじゃないかしら。国によっては魔法を使えない国もあるからネ」
「では、このシルバートレイは一品ものというわけですね」
「そうなるわネ」
カーコさんと話をしていると、ラシルくんが手を伸ばす。
「ぼくもさわってみたいです」
「ラシルくんには重いから触るだけですよ」
「はい。ありがとうございます!」
ラシルくんにシルバートレイを触らせると、思ったよりも反応が薄いです。
「……おもちゃではないですね」
秘密兵器みたいな何かだと思っていたみたいですね。
ラシルくんががっかりした顔をしているので慰めます。
「そうですね。これは主に大人の女性が使うもののようです」
どんな時に使うか教えるのは、まだ早い気がしますから、詳しく聞かれないうににカーコさんに尋ねます。
「どう使えば良いのかわからないんですが」
「使い方は簡単ヨ。相手に乱暴されそうになったら、それを盾にすればいいノ」
「盾にすれば良いんですね」
「殴ってもいいわヨ」
「そんな! 私、今まで人を殴ったことがないんですよ!」
「貴族のお嬢さんなら、それが普通かもしれないケド、そんなんじゃラシルを守れないわヨ」
カーコさんに言われ、自分の考えがまだまた甘いのだとわかりました。
そうですよね!
世のお母さんは我が子のためなら命懸けですもの。
……私とラシルくんは赤の他人ですが、ラシルくんは良い子だし、大人の私が守るべき!
シルバートレイを握りしめて決意したあと、カーコさんたちに宣言します。
「ポッコエ様には聞いておきたいことがあるので行ってきます!」
「他の人に頼めば良いんじゃないノ?」
「あまり、多くの人に事情を説明したくないんです」
「そうカ。そうよネ。まずは、あのザコをやっつけてしまいマショ!」
「はい! では、行ってまいります!」
「ワタシも行くワ」
「ぼくもいきます!」
ラシルくんが手を挙げたので、カーコさんにお願いします。
「カーコさん。申し訳ないのですが、ラシルくんは一人でいるのが嫌なんです。一緒にいてあげてくれませんか」
「……しょうがないないわネ。このワタシが一緒にいてあげるワ」
「ありがとうございます」
胸を張るカーコさんにお礼を述べたあと、頬を膨らませているラシルくんに笑いかけます。
「少しだけ待っていてくれませんか」
「……いやです! ぼくもいきます!」
ラシルくんが私の足にしがみついてきました。
お母様がいなくなった時、ワガママを言ってでもついて行けば良かったと思っているのでしょうね。
私たちは会ってまだ3日目で、信頼関係などないはずです。
それでも、この子には頼れる人は私しかいないのですよね。
「大丈夫です。私には強い味方がありますので!」
「……ぜったいにかえってきますよね?」
まずは、ポッコエ様が何の用事で来たのか探らないといけません。
彼が相手ですから、命の危険はないでしょう。
「もちろんです」
「わかりました」
頭を撫でて頷くと、ラシルくんは私から体を離してくれました。
シルバートレイの使い方はいまいちわからないけど、実戦あるのみです!