迷惑ですから追いかけてこないでください!
ラシルくんの正体がはっきりしたので、家の中ではラルシード様と呼ぼうと思っていると話すと「ぼくはそんななまえではありません!」と嫌がられてしまいました。
ですので、呼び方はラシルくんのままでいくと決めました。
外に出た時に本当の名前を口にしてしまってもいけないし、ちょうど良かったと思うことにしたのです。
警戒しつつも、新しい土地に馴染み始めた時、ラシルくんが5歳になる日が近づいてきました。
せめて、この日はいつもよりも素敵な日にしたいと考え、使用人たちと一緒にプレゼントやささやかなパーティーを開催しようと考えました。
キール様にその話をすると、ラシルくんが5歳になった日に王妃陛下の話をすると話してくれたので尋ねます。
「もう、伝えてもよくなったのですか?」
「はい。許可は取っています」
キール様が国王陛下に話をしてくれたところ、王妃陛下のことが生きていることを話すだけなら良いと許可が下りたのだそうです。
お母様が生きていると聞いたら、きっと喜んでくれるますよね。
話をすると決めたこともあり、当日はキール様も来て一緒にお祝いすることになりました。
ラシルくんの話と同時にお姉様とポッコエ様の婚約は破談になりそうだとも教えてもらい、これからどうなっていくのか考えていた時でした。
「ミリアーナさんとキールはけっこんするんですか?」
ある日、ラシルくんからそんなことを聞かれたので、慌てて否定します。
「そ、それはないです! 私は少し前に、キール様のお兄様と婚約していたんです。しかも破棄されたんですから!」
「キールにはこんやくしゃがいないってききました。ミリアーナさんはどうですか? キールはだめですか?」
「そういう問題ではないです!」
この頃のラシルくんは、キール様を結婚相手にどうだと言うようになっていました。
同じ年代の子供たちと話すようになり、そういうお話が好きな女の子がそう言っていたみたいです。
ラシルくんのことをお金持ちの息子だと思っているから「ラシルくんとけっこんして、たまのこしにのるのよ!」なんて言う女の子もいて、可愛いやら末恐ろしいやらといった感じです。
「ざんねんです」
しょんぼりするラシルくんを慰め、諦めさせるということを何度か繰り返している間に、ラシルくんの誕生日の日がきました。
当日の朝、準備を進めていた私たちの元に、キール様の所に行っていたカーコさんが戻ってきて叫びます。
「側妃の手先が動いたワ! ラシルたちは万が一の時は地下室から外に逃げるようにと、キールが言っていたワ」
「……わかりました」
ラシルくんの誕生日に来るなんて酷いです!
ですので、呼び方はラシルくんのままでいくと決めました。
外に出た時に本当の名前を口にしてしまってもいけないし、ちょうど良かったと思うことにしたのです。
警戒しつつも、新しい土地に馴染み始めた時、ラシルくんが5歳になる日が近づいてきました。
せめて、この日はいつもよりも素敵な日にしたいと考え、使用人たちと一緒にプレゼントやささやかなパーティーを開催しようと考えました。
キール様にその話をすると、ラシルくんが5歳になった日に王妃陛下の話をすると話してくれたので尋ねます。
「もう、伝えてもよくなったのですか?」
「はい。許可は取っています」
キール様が国王陛下に話をしてくれたところ、王妃陛下のことが生きていることを話すだけなら良いと許可が下りたのだそうです。
お母様が生きていると聞いたら、きっと喜んでくれるますよね。
話をすると決めたこともあり、当日はキール様も来て一緒にお祝いすることになりました。
ラシルくんの話と同時にお姉様とポッコエ様の婚約は破談になりそうだとも教えてもらい、これからどうなっていくのか考えていた時でした。
「ミリアーナさんとキールはけっこんするんですか?」
ある日、ラシルくんからそんなことを聞かれたので、慌てて否定します。
「そ、それはないです! 私は少し前に、キール様のお兄様と婚約していたんです。しかも破棄されたんですから!」
「キールにはこんやくしゃがいないってききました。ミリアーナさんはどうですか? キールはだめですか?」
「そういう問題ではないです!」
この頃のラシルくんは、キール様を結婚相手にどうだと言うようになっていました。
同じ年代の子供たちと話すようになり、そういうお話が好きな女の子がそう言っていたみたいです。
ラシルくんのことをお金持ちの息子だと思っているから「ラシルくんとけっこんして、たまのこしにのるのよ!」なんて言う女の子もいて、可愛いやら末恐ろしいやらといった感じです。
「ざんねんです」
しょんぼりするラシルくんを慰め、諦めさせるということを何度か繰り返している間に、ラシルくんの誕生日の日がきました。
当日の朝、準備を進めていた私たちの元に、キール様の所に行っていたカーコさんが戻ってきて叫びます。
「側妃の手先が動いたワ! ラシルたちは万が一の時は地下室から外に逃げるようにと、キールが言っていたワ」
「……わかりました」
ラシルくんの誕生日に来るなんて酷いです!