Bravissima!ブラヴィッシマ
「えー?!どういうこと?高瀬さん、また弥生ちゃんのお父さんに挨拶に行ったの?」
「そうなのよ。『改めまして、弥生さんとのおつき合いをお許しいただけませんか』って、正座して頭下げてくれて」
1週間後。
カフェでランチをしながらその後の様子を聞いてみた芽衣は、びっくりたまげて卒倒しそうになった。
「芽衣が公平さんに私の連絡先を伝えてくれたでしょ?そのあとすぐに電話がかかってきたの。で、昨日はすみませんでした。咄嗟にお芝居してくださって助かりました。父には、頃合いをみて別れたと伝えますのでって言ったら、どうして?って。別れてないのに別れたなんて嘘つかなくてもいいんじゃない?って。私、思わず、は?って目が点になっちゃって」
「うん、それはなるね」
「でしょう?公平さん、あの時タクシーで私のうちに向かいながら、私とつき合っていずれ結婚したいって考えてたんだって。いきなりそんなこと言ったら引かれちゃうだろうから、時間をかけて少しずつ距離を縮めていこう。今日のところはさらっと別れようと思ってたらお父さんが出て来たから、思わず本音を話してしまったんだって、そう言うのよ」
「そ、そうなんだ。って待って。私、今すごいおノロケ話を聞かされてるわよね?」
「ふふっ、やだ、芽衣ってば」
いやいやいや、と芽衣は片手を顔の前で振る。
「弥生ちゃん、めちゃくちゃ可愛いんですけど!恋する乙女ですよね?」
「えへへ、そうかも。だって公平さん、私のこと……。やだ!恥ずかしい」
いやいやいやーと、芽衣は今度は両手を振る。
「弥生ちゃん、キャラが!別人のようですけど!目はハートだし、頭にお花が咲いてるし、ピンクのオーラ背負ってるし」
「えー、ほんとに?これでも必死で抑えてるんだよ?」
「どこが?ダダ漏れですよ?」
恋の力とは、かくも凄まじいものなのか、と芽衣は考え込んだ。
自分だって、聖と心を通わせたばかり。
けれど今目の前にいる弥生に比べれば、はるかに冷静だった。
(やっぱり色気がないからかな?如月さんに、私なんて魅力ないって、すぐにフラれちゃったらどうしよう)
不安に駆られた時、「芽衣?どうかした?」と弥生に聞かれ、「ううん、なんでもない」と笑ってみせた。
「そうなのよ。『改めまして、弥生さんとのおつき合いをお許しいただけませんか』って、正座して頭下げてくれて」
1週間後。
カフェでランチをしながらその後の様子を聞いてみた芽衣は、びっくりたまげて卒倒しそうになった。
「芽衣が公平さんに私の連絡先を伝えてくれたでしょ?そのあとすぐに電話がかかってきたの。で、昨日はすみませんでした。咄嗟にお芝居してくださって助かりました。父には、頃合いをみて別れたと伝えますのでって言ったら、どうして?って。別れてないのに別れたなんて嘘つかなくてもいいんじゃない?って。私、思わず、は?って目が点になっちゃって」
「うん、それはなるね」
「でしょう?公平さん、あの時タクシーで私のうちに向かいながら、私とつき合っていずれ結婚したいって考えてたんだって。いきなりそんなこと言ったら引かれちゃうだろうから、時間をかけて少しずつ距離を縮めていこう。今日のところはさらっと別れようと思ってたらお父さんが出て来たから、思わず本音を話してしまったんだって、そう言うのよ」
「そ、そうなんだ。って待って。私、今すごいおノロケ話を聞かされてるわよね?」
「ふふっ、やだ、芽衣ってば」
いやいやいや、と芽衣は片手を顔の前で振る。
「弥生ちゃん、めちゃくちゃ可愛いんですけど!恋する乙女ですよね?」
「えへへ、そうかも。だって公平さん、私のこと……。やだ!恥ずかしい」
いやいやいやーと、芽衣は今度は両手を振る。
「弥生ちゃん、キャラが!別人のようですけど!目はハートだし、頭にお花が咲いてるし、ピンクのオーラ背負ってるし」
「えー、ほんとに?これでも必死で抑えてるんだよ?」
「どこが?ダダ漏れですよ?」
恋の力とは、かくも凄まじいものなのか、と芽衣は考え込んだ。
自分だって、聖と心を通わせたばかり。
けれど今目の前にいる弥生に比べれば、はるかに冷静だった。
(やっぱり色気がないからかな?如月さんに、私なんて魅力ないって、すぐにフラれちゃったらどうしよう)
不安に駆られた時、「芽衣?どうかした?」と弥生に聞かれ、「ううん、なんでもない」と笑ってみせた。